二度目の拇岳2016/12/26 21:03

週末、3年ぶりに小豆島拇岳を登ってきました。
前回同様、初日は赤いクラックを登り、2日目は吉田の岩場でフリークライミングを楽しんで過ごしました。
年末が迫り、クリスマスに岩登りなんて考えてもいませんでしたが、
メンバーが揃って再登することが出来ました。
世間では「クリぼっち」などという言葉があるそうで、我々も実質同じようなもの、プレゼントは登攀達成です。

取り付きまでは赤い印があって助かりました。でも少し過剰気味とは感じる。
準備を整え前回とほぼ同じ時間に登攀開始。

1ピッチ:クラックにボルトが打たれており、前回より安心して登れた。
クラックが終わった所に支点があり区切る。
前回は素通りしたと思う。
2ピッチ:左寄りから右上に上がり区切る。本来の1ピッチ終点だと思う。
3ピッチ:右から登り左へトラバース。前回失敗したので15mで区切る。
4ピッチ:出だしが悪いが、今回は難なく登り直登しケミカルアンカーの支点まで登る。
5ピッチ:前回は右から登ったので、今回は左から。
トラバースするのに1pinしかなく緊張する。
先に行くメンバーチームは、60m一杯にロープを伸ばしたものだから、コールがあっても全然ロープが動かない。ようやく動き始め後続の我々も続くが、50mロープなので最初のテラスで区切る。
6ピッチ:核心のピッチ。左から直登し垂壁を登るのが本来のルート、しかしアブミを持ってないのでメンバーは左のレッジに逃げ、そのまま左から登ったようだ。
我々もアブミは一組だったので同じルートを選択する。
だが、ロープが屈曲するので、レッッジに出た所で区切ったら、ロープワークに苦しんだ。私にとってここのロープワークが核心だった。
7ピッチ:どう見てもフリーでは突破困難、アブミを出す。
A0で2pin掛け、乗り越すと傾斜が緩やかになるものの、pinが無い。
やっとボルトを見つけた時は一息付けた。
その上の貧弱な支点の終了点で区切る。
先行メンバーが1ピッチの所を3ピッチにしてしまった。
8ピッチ:ここからは見覚えのある所、快適に上がって頂上で握手。
3時間で2度目の登攀を締めくくった。

前回は4ピッチ、今回は8ピッチも切ってしまった登攀になりました。
ルート取りにより大きく変わるのがアルパインの奥深さなのでしょう。

2日目
トップロックで登る。
BACCOでup後
RONに取り付いたら、2pin前で左足がミシンを踏んでしまいテンション。
1テンで登れたが悔いが残った。
下克上、3pin後の核心でクイックドローを掴んでしまいRP為らず。
きもちんよかロックに移動
カラス小僧、2pin後の核心でモタモタしてしまい指が終わった。
きもちんよか、TRで挑戦、とても私の技術ではNPをセット出来ません。
上部核心の数手で悪戦苦闘、全然登れないのでA0で突破する。

昼休憩後、ベムロックに移動。
ウキウキ、前回ズボンを裂いたルートで今回も同じような所を裂いてしまった。
ロープ回収時に、岩にロープが引っかかり、登り直すことになってしまい、私にとって相性の悪い岩場になった。
メンバーが登っていたペレストロイカでもロープが引っかかったようで、
ここは回収に要注意です。
50mロープでは登れなかったので60mロープで再度登り直し回収して終了。

思った程寒くなく快適なクライミングが出来た遠征でした。

小豆島吉田の岩場体験記32013/11/10 21:36

夜半に何度か雨粒がテントに落ちるのが分かった。
予報では回復するらしいので、他のグループも早朝から拇岩に出てて行った。

朝は、うどん鍋でしっかり腹拵えをする。
今日の岩場のミサゴロックを目指したが、岩場に着くと、滲み出しが多く、足下の岩も不安定で危ないので移動した。

一番上に在る岩場のビレッジロックでは、キャンプ場が一望できて気持ち良い。
10.黒い花束、10a、朝一番の身体では、ここも1カ所登り難かった。MOS

11.松の木小唄、10a、途中の松の木が枯れて支点を取れない、最後ランアウトする。OS。

12.フィッシャーキング、10a、2pin掛けて左のカンテへ乗り越しがポイントだが、私はその後のスラブの方が怖かった。OS。

既に岩が完全に乾き青空も覗いてきたので天気は大丈夫だと思っていた。

次はきもちんよかロック。昨日に続いての挑戦。
移動してる間に暗い雲が覆い始めてきた。私はトライアルロックを登った。
13.カラズ小僧、10a、2pin後の左のトラバースが核心で、ケガもここでやったという。
少し左側に出てしまった。上もスラブでホルドが少なく登り難かった。MOS。

14.何か核心のムーブが出来なかったので再度登る。今度は右寄りに登ってみた。RP。

ところが、急に雨粒が落ち始め、次のルートに取り付こうとしてる時に本降りになってきた。
皆さん急いで撤収する。ミウラが一足残っておりキャンプ場までメンバーが届けました。
張りっぱなしだったテントが強風でポールが折れてしまってました。
しばらくして止んだので、テントを乾かしたり帰りの準備をしてると時間が直ぐ過ぎてしまった。
フェリー乗り場は、連休最終日で大勢の車が待っており、今まで一番混んでたらしいです。
時間通りに出港して、久々に明石海峡大橋の夜景を見て帰って来ました。
また、機会があれば行きたい岩場です。

小豆島吉田の岩場22013/11/09 22:10

2日目は、天気が昼から崩れるので午前中が勝負だ。
朝早くから次々に岩場に出かけている。
我々はゆっくり支度して出発した。
ダム横の岩場
ダム下からの眺め、岩肌に圧倒される。
今日の岩場はトップロック、途中の岩にもロープが掛かり大勢のクライマーが登っている。
既に人気ルートは順番待ちのよう、我々は右のルートから登り始め

3.野人5.9、Iさんに勧められ取り付いたものの、3pin掛けて4pin目まで手掛かりが全くない、しばらく見渡しても無さそうなので、極小さいカチを使ってどうにか上のカンテを掴めた。とても5.9とは思えなかった。どうにかMOSしたが体感10.b。

4.BACCO 5.9、2pin後に左隣のナチュラルのルート沿いにしか登れなかった。これも5.9のホルドが無い。OS。

5.翔がごとく、5.9、上部の核心が濡れていたので右よりに登る。OS。

6.下克上、10c、人気ルートのようで、別のグループが皆さんで登っていた。
先ずはマスターでHさん、3pin掛けてからが核心で墜落。
次はYさん、同じく核心で滑った。
今度は私、右手がカチで止まったので左手でマントルして乗り越しOS。無事登れて良かった。
その後Hさん、YさんもRP達成した。3人とも違うムーブで核心を越したらしく、メンバーは興味深かったらしい。

7.RON、10a、中間部にやっと10aのホルドがあるが、それまでは小さいホルドの連続で気が抜けなかった。OS。

8.INGOJIJI、11a、2pin掛蹴るのも難しい。その上の左カンテを取りにゆくのが最初の核心で足場が無く見事に落ちた。その上もスラブでホルドなし、左カンテだけ使って各停で登った。

これで殆ど触ったのできもちんよかロックへ移動する。

ここも大勢の人が登っている中、メンバーがNPのSケイプを登っており、怖い~と言いながら終了点まで登ってました。それを横目に私は。

9. ランナウエイ、10a、花崗岩のザラザラした岩肌は苦手で、pin間隔も遠く感じて登り難かった。OS。

この辺りから雨粒が落ち始め、時刻は13時頃、予報通りの天気に回復は望めないので本日終了。

今日も買い出しにスーパーへ。
途中ダム下の対岸から吉田の岩場を眺め、それぞれの岩場の場所を同定するのは楽しかった。
使用頻度が極端に低いと思われる展望台まで上がったが視界は良くない、諦めてそそくさと下りた。

スーパーの駐車場で、メンバーが雨の中カートにルイヴィトンのポーチが置いてあるのを発見して、係り員の人に届けてました。忘れた人は焦っているでしょうね、無事持ち主に戻ったたかな?

今夜の鍋は、海鮮と肉、それぞれ具材を買い込みキャンプ場へ戻った。
風呂に連日入れるのは有り難い。山では数日入れないのは当たり前だからこの環境はすばらしい。
でも、服の替えを持って来なかったので同じ服を3日間着続けたのは、計画の作成不備だった。

雨が降っており今夜の炊事場は手狭です。
しかし、格グループが交替で使用して問題ない、それに灯りがあるのは非常に有り難く、テントで炊事するより格段に快適だ。
鍋が出来上がる前に、お寿司と刺身でカンパーイ!。
今夜も宴会は始まった。

昼にキャンプ場に戻ってから、ずっと足首を冷やしている女性に話し掛けてみた。
TRで登っていて、振られた時に足首を強打したらしい。メンバーも同じ経験があって、その時は骨が折れていたらしい。
TRでも油断できないです。トップロープのセットは難しい。

知人のグループは大所帯で、おにぎりを作るようなので見学する。手つきの良いお姉さんが我々のパーティで話題になってました。
その女性、何と烏帽子で私を知ってるとか。。。失礼ながら、全然記憶に無かった。
世間は狭いものです。
その後も私を呼ぶ声が、、、見れば別の知人。全く油断できないです。
この連休のキャンプ場は、関西からの遠征組が多く、普段烏帽子で見かける方々が大勢来てました。

1ラウンド目の海鮮は直ぐに無くなり2ラウンドへ、今度は肉でしっかり油が浮いてました。土鍋の威力で熱がなかなか下がらず、最後まで美味しく食べられ今夜も満腹でした。

夕方には結構降っていた雨も夜半になって止んで、コンクリートが乾き始めた。
予報から、明日は必ず登れると言い張っていたメンバーは、花崗岩は1時間もすれば登れると言ってたが、半信半疑です。
明日は朝から帰ろうかと思ってました

小豆島吉田の岩場体験記12013/11/08 00:21

拇岳を登り、今回の宿泊地である吉田のキャンプ場に向かった。
初めてのキャンプ場は広々としており、炊事場やトイレはもちろん、風呂まで有って快適そうだ。今日は既に何張りもテントが在り今までで一番の賑わいらしい。
ほとんどが山屋さんだそうです。

まだ時間が有るので、早速岩場を登に行く。
先ずはビギナーズロックから、下部は塞がっており上部のルートにする。

1.大阪の関、5.8、MOS。1カ所登り難い所有り。
下部のパーティが上がって来たので移動する。
夕暮れロックからミサゴロックを目指したが岩を同定できず、海鳴りロックまで行って引き返しベムロックにした。

2.ウキウキ、5.9、OS。
花崗岩特有のザラザラとした岩肌にズボンが引っかかり破れていることに終了点で気づいた。カンテから可成り左斜め奥に終了点が在るので懸垂の準備をしている時、手から環付きカラビナとATCを落としてしまう大失態をやらかしてしまう。
気持ちが破れたズボンに向かっていて手元が疎かになってしまったのだろう。初めて落としてしまった。
ビナ懸垂の方法がとっさに浮かばず、通常のロワーダウンになってしまいロープを痛めてしまう。降りてからビナ懸垂を復習したが、一瞬でセット出来ないと実用できないだろう。
今回の最大の反省点です。この経験を次に生かしたい。

カラビナの落下と共に気持ちも低下してしまい後は観戦した。
ペレストロイカを登ってる人の足場が欠けて落ちそうになった時は一瞬驚いた。外岩では、有ると思っても咄嗟に対処出来るかは、その人の実力次第だろう。そのまま終了点まで登ってました。

2時間ほど登り撤収、食材の買い出しに出かけた。
6人分の食料と飲み物は結構多くなった。キャンプ場に戻ると日も暮れ、大勢のキャンパーで賑やかだ。なるほど荷物はクライミング一式の人ばかりです。
風呂が直ぐ横に有るのも嬉しい。一風呂浴びて宴会が始まる。

今夜のメニューは焼きそばとお好み焼き、鉄板を暖めるコンロの火力が強く3000kcalもあって直ぐに具材が出来上がる。最後に面を解して完成。周辺にソースの臭いを漂わせカンパーイ!
キャンプ場で珍しいのか、側を通る人達から次々に美味しそうとか、良い臭いですねと羨ましがられました。
実際美味しかったです。

若い女性が現れ、拇岳の下降で笛を落とした人を探しており、メンバーの笛だと分かった。お礼に焼きそばを進呈するとたいそう喜ばれたらしい。
次はお好み焼き、メンバーの一人に、北陸出身者が居て残り5人で指南だ。やれ具材を何にするとか、焼き方や裏返す見極めやら、仕上げの順番、コテの使い方まで一通り仕込んだ。
きっと思い出深いお好み焼き体験になったことでしょう。

今度は外人さんが現れた。岩に登りましたかと尋ねられ、もちろん、我々はクライマーで、このキャンプ場はクライマー御用達だと話すと、ここに来るまで知らなかったと言ってた。シドニー出身のこの人はクライミングはしないそうで、今回は芸術祭にやって来たらしい。
知人もやって来て賑やかな夕食が延々と続いた。普段の3倍くらい食べたと思う、でも楽しかった。

やっと終わった夕食もまだ21時頃、早早にテントに入って残りの日本酒をチビチビ嗜んで熟睡した。

小豆島拇岳、赤いクラック2013/11/06 00:40

私が一旦引き返した松の木
今回の連休は、小豆島の岩場に行って来ました。
急に決まったことなので、前調べも余り出来ず当日を迎えることになり、少し不安な気持ちを抱えつつ集合場所に向かった所、確認不足でJR神戸まで行ってしまい、三宮まで戻るというチョンボから始まった。

三宮から出るフェリーに乗るのは初めて、流石に連休前で既に多くの車と乗客が待ってました。
予想以上に大きなジャンボフェリーで、乗り込むと絨毯が敷いてあるコーナーへ直行する。辺りは山屋さん風の乗客で一杯です。良く見ると知人も居て、皆さん目的地は同じ所。
深夜発の朝着なので、十分寝られるのはありがたい。軽く前夜祭をして翌日に備えた。
今回、初めてのフェリー雑魚寝に何も準備せず、若干寒さを感じながら眠ることになったのは次回の課題です。

定刻から30分遅れで坂手港に到着。一番乗りを目指し拇岳へ直行した。
廃寺を思わせる古い寺の上まで入って一旦駐車、別部隊と分かれて取り付きまで上がった。
途中の分岐を左に取ると取り付きにでる。どうやら一番乗り出来たようだ。
準備をしてると一組現れて、我々は赤いクラックだと伝えると左のダイレクトを登ことになった。

赤いクラック、
先ずは、先手の我々Hさん-ごましおと後手Y-Yチーム。9時前に開始。

1ピッチ目、ルート名の右上する赤いクラックをHIさんが登る。支点を取りながら余裕で登っていった。続いて私、1カ所登り難かったが無事終了点に届いた。

2ピッチ目、少し登ってpinを探すと左にあったので左上しながら進むと終了点らしき所があったが、まだ15mほどしか出てないとの声に従って上に向かった。
最初の出だしが悪くて落ちるかと思ったが、何とか耐えて上の松の木でクリップするが、ロープが下で屈曲しており全然上がって来ず諦めて一旦ペッツルが打ってある支点まで降りことにした。下の終了点の少し上で、足場が狭いが仕方ない。仕方なくここでピッチを切ってビレイする。
しばらくマルチをやってなかったので手際が悪く、ATCのセットに手間取ってしまい、その上ロープが絡まってしまう悪循環に陥った。
再セットしたので時間が掛かり、引き上げたロープをさばくにも手間取り、やっとセカンドが上がって来てもギアを受け渡すにも難儀する。
久しぶりに登る時は、予め手順をおさらいすることが必要だと反省しました。

取り付きでは、我々の後に4パーティ以上が待機しているらしい。今日の拇岳は賑やかです。

3ピッチ目、Hさんが出だしの難しい所を過ぎて、松の木の右上に立派なケミカルアンカーのビレイ地点があると教えてくれた。
通常の4ピッチ目のビレイ地点をそのまま越し、右上に上がる難しいムーブでA0になったと声が聞こえてくる。
しばらくロープが動かなかったので、ルートを探しているようだ。
漸く動いて、ロープの残りを聞いてくる。残り15m、まだロープが延びて行く。
やっと5m程残して止まりコールがあった。
Y-Yチームも通常の3ピッチまで上がってきて我々の様子を見ている。

次は私、最初の難しい所で一度バランスを崩し再度登る。
松の木を過ぎて直ぐに通常4ピッチ目のビレイ地点に達しそのまま通過、次の核心はバランスを保って登れた。
ロープは右のブッシュ帯に沿って延びており、通常6ピッチ目のテラスでHさんが待っている。ロープに従って登り到着。
どうやら最大の核心で皆さんアブミで登る所を迂回したようだ。後続のY-Yチームは左に折れて核心で苦労してるらしいことが聞こえてくる。

4ピッチ目、古びたハーケン沿いに直上するか、左にトラバースして登るか迷う。
左の方にはRCCやリングボルトが見えるが少し遠い。一旦上がって様子を見ることにする。
このハーケンでは落ちられない、慎重に登ってテラスに上がったが、その上の垂壁にはボルトが1本も無いので無理。左にトラバースすることにしたが、ここも可成り怖かった。
少し左に寄り過ぎて、隣のダイレクトルートを登っていたパーティのロープが見えてくる。上でビレイしていた方が、ルートはRCCから右上だと教えてくれた。有り難い。
少し戻り右上に上がると立派なペッツルが打たれていた。ここで精神的に落ち着く。
ハーケンやリングボルトばかりでは私は落ち着きません。
そこから上はスラブで先の山頂まであと少し、慎重に登って終了点に達した。

今度はATCをスムーズにセット出来てビレイする。Hさん、快適なピッチやと言いながら登ってきた
時刻は11時35分、取り敢えず2時間40分で登ることが出来た。

次のY-Yチームの声がアブミの所から聞こえてくる。やっと最終ピッチに入ったと思ったら、なかなか上がって来ない。随分待って声が聞こえてきたと思ったらブッシュ帯の方からで、テラスから右に入ってそのまま上がってきたのだ。
我々は核心を飛ばし、Y-Yチームは最後を飛ばして12時25分無事終了。

下山は懸垂で降りても良い所にフィックスロープがあり、暗部まで降りられる。
下降路も急斜面だが、ロープがあり安全に取り付きまで降りられた。

クイックドローが1本転がっているのを発見したが、見易い所に置き、
別働隊と落ち合う時間が迫ってるので荷物を回収して道まで降りた。